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業務委託の美容師も労災保険に入れる場合がある:フリーランスの特別加入(令和6年11月〜)
令和6年11月から、業務委託を受けて働くフリーランス(特定受託事業者)も労災保険に特別加入できるようになりました。従業員を雇わず、サロンや企業から業務委託を受けて働く美容師も対象になり得ます。給付基礎日額・保険料率・加入方法を厚生労働省の公表資料をもとに整理します。
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この記事の根拠
この記事は公開情報2件をもとに作成しています(最終確認日 2026-10-11)。
出典一覧を見る
- 厚生労働省 令和6年秋から労災保険に特別加入できるようになります (確認日:2026年10月11日)
- 埼玉労働局 令和6年11月からのフリーランスの労災保険特別加入について (確認日:2026年10月11日)
業務委託の美容師も労災保険に入れる場合がある:フリーランスの特別加入(令和6年11月〜)
面貸しや業務委託で働く美容師は、原則として勤務先の労災保険の対象になりません。仕事中にハサミで指を切った、長時間の立ち仕事で腰を痛めた——こうした仕事中のケガに備えて、業務委託の美容師が入れる労災保険の区分は、これまでありませんでした。ただし、契約が業務委託でも、厚生労働省の資料は「労働契約を締結している場合や、取引の形式に関わらず、実態として労働者と認められる場合は、特別加入せずとも労災保険が適用されます」としています(出典: 厚生労働省「令和6年秋から労災保険に特別加入できるようになります」 https://www.mhlw.go.jp/content/001262830.pdf )。働き方が実態として雇用に近い場合は、まず通常の労災保険の対象にならないかを確認してください。
令和6年11月から、この状況に変わる制度ができました。業務委託を受けて働くフリーランス(特定受託事業者)も、労災保険に特別加入できるようになったのです。
道具の準備は「美容師の独立開業・開店準備で揃えるべき道具ガイド」(/articles/dokuritsu-kaigyo-dougu-guide/ )で、独立時の社会保険の選択肢は「独立時の社会保険・国保組合」(/articles/dokuritsu-shakaihoken-kokuho-kumiai/ )で扱っています。この記事では、労災保険という別の保険を取り上げます。
何が変わったのか
厚生労働省が公表している資料(R6.12発行)は、制度の対象を次のように説明しています(出典: 厚生労働省「令和6年秋から労災保険に特別加入できるようになります」 https://www.mhlw.go.jp/content/001262830.pdf )。
対象は**「特定フリーランス事業」に従事する人**で、
- 企業等から業務委託を受けて特定フリーランス事業を行う者
- 同時に、当該事業と同種の事業を消費者から委託されている場合も対象
とされています(出典: 同上)。資料が挙げている例は翻訳・通訳、講師・インストラクター、デザイン・コンテンツ制作、調査・研究・コンサルティング、営業などで、「美容師」という業種名そのものは例として挙げられていません。
ただし、資料の定義は職種を名指しで限定してはいません。 「業務委託」とは「企業等がその事業のために他の事業者に、物品の製造、情報成果物の作成(プログラミング等)、役務の提供(通訳等)を委託すること」とされ、フリーランス(特定受託事業者)は「業務委託の相手方である事業者であって、従業員を使用しないもの」とされています(出典: 同上)。企業等から業務委託を受けて事業を行い、従業員を使用していない個人事業主であれば、美容師も対象になり得る、という整理です。
一方で、同じ資料は「消費者のみから委託を受ける場合」や、企業等から受けた業務とは異なる事業について消費者から委託を受ける場合は「対象となりません」としています(出典: 同上)。サロンや企業から業務委託を受けて施術している美容師であれば、この条件に当てはまる可能性がありますが、個人のお客様からだけ仕事を受けている場合は対象外です。
[!warning] 自分の契約形態が対象かどうかは、契約書面で確認する 「業務委託」と呼ばれていても、実際の契約内容や働き方によっては対象外と判断される場合があります。確実に知るには、加入時に特別加入団体または社会保険労務士に、自分の契約書面を見せて確認するのが安全です。
給付基礎日額・保険料率
加入にあたって決める給付基礎日額は、16段階のうちから選びます。最高25,000円から最低3,500円までの幅があり、労働局長の承認を受けて決まります(出典: 埼玉労働局 令和6年11月からのフリーランスの労災保険特別加入について https://jsite.mhlw.go.jp/saitama-roudoukyoku/content/contents/002302763.pdf )。
保険料率は**第二種特別加入保険料率(3/1,000)**です(出典: 同上)。年間保険料は「給付基礎日額 × 365日 × 3/1,000」で計算されます。資料の計算例では、給付基礎日額10,000円の場合、年間保険料は10,950円です(出典: 同上)。
給付基礎日額は、自分の所得水準に見合った額を選ぶとされています(出典: 同上)。収入が少ない時期に高い日額を選ぶと保険料の負担が重くなり、逆に低く設定すると、実際にケガで休業した際の給付額が少なくなります。自分の月あたりの収入を目安に選ぶ項目です。
加入の手続き
加入は、個人が直接労働基準監督署に申請するのではなく、特別加入団体を経由します。埼玉労働局の資料は、「特定フリーランス事業の特別加入団体を通じて、加入申請書等を所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出してください」としています(出典: 埼玉労働局 同上)。
つまり手順は次のとおりです。
- 自分の働き方が対象になりそうかを確認する。 業務委託を受けて働いており、従業員を雇用していないか。
- 特定フリーランス事業の特別加入団体を探す。 特別加入団体の一覧表は厚生労働省ウェブサイトに掲載されています。自分の事業で加入できるかは、各団体に確認が必要です。
- 給付基礎日額を決める。 自分の所得水準に見合った額を16段階から選びます。
- 特別加入団体を通じて申請する。 団体が労基署長を経由して都道府県労働局長に提出します。
特別加入は特別加入団体を通じて申し込む仕組みなので、加入を受け付けてくれる団体が見つからなければ加入できません。 加入を検討する際は、まず対応している団体があるかどうかを確認してください。
入っておくとどう変わるか
厚生労働省の資料は、「ケガ等の治療に必要な給付や、ケガ等で休業する際の休業期間の給付、治療後に障害が残った場合の給付、お亡くなりになった場合の遺族への給付等が支給されます」としています(出典: 厚生労働省 令和6年秋から労災保険に特別加入できるようになります)。
業務委託で働く美容師にとっては、仕事中のケガで働けない期間について、休業の給付を受けられるという点が大きな違いになります。立ち仕事・刃物を使う仕事という労災リスクを考えると、検討する価値のある制度です。
まとめ
- 令和6年11月から、業務委託を受けて働くフリーランス(特定受託事業者)も労災保険に特別加入できるようになりました。
- 対象は職種を名指しで限定しておらず、企業等から業務委託を受けて事業を行い、従業員を使用していない個人事業主という条件です。厚労省の資料の例に「美容師」という業種名は挙がっていませんが、サロンや企業から業務委託を受けて働く美容師も条件に当てはまる可能性があります。消費者(個人客)のみから委託を受ける場合は対象外です。
- 給付基礎日額は16段階(3,500円〜25,000円)、保険料率は第二種特別加入保険料率(3/1,000)です。
- 加入は個人申請ではなく、特別加入団体を経由します。加入を受け付けてくれる団体があるかをまず確認する必要があります。
- 給付には治療・休業・障害・遺族などへの給付があります。給付額の計算は、加入する特別加入団体や労働基準監督署で確認してください。
ご利用にあたって:掲載内容は一般的な情報提供を目的としています。記載は2026年10月11日時点で厚生労働省・労働局が公開していた情報にもとづくもので、制度の運用・加入条件は変更される場合があります。自分の契約形態が対象になるかどうかは、契約書面を確認のうえ、特別加入団体または社会保険労務士、所轄の労働基準監督署にご確認ください。本記事は特定の特別加入団体を推奨するものではありません。